外食!商品開発 最前線

開発の舞台うら

仮説をたてて検証する

新たな商品施策を考えるとき、たいていは客層と用途を視野にいれた何らかの仮説を立てていると思います。たとえば、

といった仮説です。”仮説”は”思い込み”と紙一重です。あとはその仮説を検証していくことで、全店舗で実施する価値があるかどうかを決めていくことになります。

 当然ですが、狙うべきお客様はどういう人なのか、どの用途なのかを思い描いています。その施策をおこなうことで、狙った通りのことが起きているかを調べることになります。

 このケースだと検証するべき内容は、

となるでしょう。 

 また、仮説検証とは別に狙ったお客様方を中心にどういう感想をもったかも知りたくなります(苦労の末編み出したアンケートの取り方とその分析方法も別稿でお伝えします)。

 さらに、果たしてビジネス上ちゃんと儲かる話なのか、店舗オペレーションがぐちゃぐちゃになったりしないかも調べておかなければなりません。

 

 そのほかにも例えば、店舗の改装を考えた時、この際思い切って内外装をうんと変えてしまえ!ということが上層部からでてくるときがあります。

 そんなときはほとんど作業指示のようにでてくるので、「なぜやるのか」とか「誰のためなのか」などの基本的な情報がすっぽ抜けてる場合がほとんどです。社長に向かって「その施策は何のために行うのですか?」と聞ける勇気は、大事な家族のいる私には、ありません。

 当然、走りながら考えるのですが、そんな時にたてる仮説はこんな感じです。

 ②のコアターゲットは、平日ディナーの飲酒用途のお客様となりましょうか。

 このケースだと検証するべき内容は、

となるでしょう。

 また、仮説検証とは別に狙ったお客様方を中心に、「内装のいい点・至らない点」についてどういう印象をお持ちになったかも知りたくなります。

 さらに、仮説を検証するのと同時に、果たしてビジネス上ちゃんと儲かる話なのか、オペレーションは大丈夫か(図面ではわかりきらなかった動線や視線、光線反射など)調べておかなければなりません。

 

 また、こんなのもあるかもしれません。文頭の写真のようなおしゃれなスイーツを導入して若い人を呼び込みたい。

 この時の仮説は、

 このケースだと検証するべき内容は、

 検証方法は、

①=注文者に対するアンケート。客層ごとに集計しておきたい。

②=Twitterを確認するのがいいでしょう。"Social Insight"など便利なサイトも多くあります。

③=注文者に対するアンケート。客層ごとに集計しておきたい。

④=注文者に対するアンケート。客層ごとに集計して割合を比較。比率の検定をしておくと、より信頼性も高まります。

 オペレーション大丈夫かどうか、ロスも含めてちゃんと儲かるかどうかも、ちゃんとみます。ぱっと見の判断で申し訳ないのですが、文頭写真の抹茶のお菓子の商品は、実際そこが心配だったりします。

 リスクの確認も重要です。たとえば、女性が本当にたくさん来てしまうと、いままで来てくださっていた男性常連客が逃げることがあり得ます。性別のバランスが崩壊すると、一気に「女性だけの店」「男性だけの店」となってしまうでしょう。性別によって間口を狭めることが「リスク」になるのか、「コアターゲットを捕まえること」になるのか、どちらになるのか、ブランドのイメージをどう作り上げるかにかかっているともいえそうです。

 

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※文頭の写真

 日本茶喫茶 茶縁

 前から気になっていた店。平日の昼前にいったら、いい席ですわれた。10年以上あるのに、休日は満席のイメージしかない。抹茶味、煎茶味の和洋菓子をいただいた。嫁と娘が名古屋にきたら連れてきたい店だな。ほうじ茶ラテ、ふんわりといい香り。砂糖の甘さに香ばしさがしっかりと乗ってきた。料理は塩味に味がのる。甘味は砂糖に香りがのる。