外食!商品開発 最前線

開発の舞台うら

客数の推移

 お店は開店した日から、地域の皆さんとの長年にわたるお付き合いがスタートします。地域の人たちがお店を認知するにしたがって、徐々に来店客数が増えるでしょう。

 一方ですでに名前が知られているチェーン店の場合は異なる動向を示します。地域の子供同士や親子間、親同士など様々なつながりの中で「あそこに○○屋がはいるんだって」「開店は12月9日らしい」といった事前情報が大体出回るようです。

「まちBBS」の掲示板などで話題になることもよくあります。こういうところです。

 こんなふうにチラシが入ることだってあります。

 また、もともとそのブランドがどういう味や雰囲気、価格感なのかはだいたい認知されています。ですので、認知段階はとっくにクリアされています。あとはお客様は実際にその店舗を試してみて、アクセスや実際の客層、雰囲気などを気に入れば使い続けチャンスは広がりますし、そうでなければ足を向けなくなります。認知が十分にされているチェーン店では、初めからいきなり客数マックスを迎えてしまうケースがあったりします(盆や正月などイベント性の高い日を除く)。

 客数の週次推移を類型化してみると、以下のような4類型に分かれます。

 某チェーン在職時の経験でいうと、開店当初から客数が漸増する店はさほど多くありませんでした。国内のある地方の繁華街への出店時に客数の漸増がみられました。これはまだ某チェーンがその地方で認知されていなかったためと考えられます。また、人口増加の著しいベッドタウンへ出店したときには、客数の漸増がみられました。人口増加の恩恵をもろに受けたからでしょう。

 このように、客数が漸増するのは

①出店地域ではさほど認知されていない場合

②出店地域のターゲット人口が増えている場合

と考えます。

 一方で、客数が安定している典型例は駅前立地の店です。駅前立地は客数が初めからかなり安定していて開店後しばらくたっても客数にあまり変化がありません。ただ、たとえば駅前立地なら初めから安定した集客が見込めるかというと、そんなことはありません。店によって様々で、その店の個性というしかないときもあります。全体として、という話で受け止めていただければと思います。

 ショッピングセンターに出した店は急激に週次客数が少なくなっていきます。これは、ショッピングセンター開業時に自分たちの店を開店するケースではさらに顕著になります。ショッピングセンター自体の集客力が飲食店の来客人数に大きく影響するからです。後でこの傾向を定量的に把握する数式モデルを組みましたので紹介します。

 ロードサイド店舗もショッピングセンター立地ほどではないですが、客数が漸減する傾向にあります。

 変形型の典型は、観光地や遊園地そばの店です。GWや海水浴シーズンなどに客数がどっと増えたりします。

 次回は客数の推移を定量的に扱ってみます。

 

※文頭の写真

 オービカ モッツァレラバー 東京ミッドタウン

 都心でも歩道部分が広く、比較的のんびりとできる。

 写真はブラッドオレンジジュース。この日は運転もあったので、飲酒はできず。

 ブラッドオレンジジュースは結構酸っぱいので、イタリアでは氷はいれず、ガムシロップを入れて飲むのだとか。なんかもったいないような、妙な貧乏性が頭をもたげてきてしまう。ガムシロップを入れるのは、ちょっと無理だなぁ。