はじめに
はじめに
外食産業に身を投じてはや12年。いくつかの寄り道をしながらも、外食産業のメニュー企画・開発がどうやら自分の天職らしいと、思い定めるまでになりました。
メニュー企画・開発といっても、形は様々。社長とかお偉いさんのいうメニューを実現してあげたり、料理長と呼ばれる人が「おいしいから」とつくった料理に「なんでこの商品を売るのか」と販売意図を整理してあげたりと、すごく勉強になる職域でもあります。
そんな中で、自分たちでも「こういった方向にメニュー全体を伸ばしていかなければならない」とか「こんな料理があったらお客さん増えるかな」とか考えて作るのもまた楽しかったりします。
一方でお客様の実像に迫るために、実は統計学や多変量解析のような高校数学では追いつかないような数学を駆使することもあり、それはそれで学ぶものが多かったりもします。
メニューの企画・開発を主に担当してきた身として、真に会社のためになるメニューとは何なのか、その答えはどうやって導き出すものなのか、自分なりに苦闘してきた中でつかみ取ってきたあらゆるエッセンスを、皆さんにすこしずつ共有させていただきます。皆様にはそんな外食における商品開発現場の一端から、何かヒントでも感じ取ってもらえればうれしいです。
特に若い方には、商品開発の意外とロジカルな一面をとおして「こんな仕事の進め方もあるのか」と働き方の参考になれればと思います。
さらには、多くの外食産業のメニュー開発に従事する人たちが新たな地平を切り開くための助けになれば、こんなにうれしいことはありません。
そのためには、できることならばここに書いたことをさらに進化させて、皆さんのご意見を取り入れながらしっかりとした背骨の通ったものにまで昇華させていければと思います。
皆様のご意見をお待ちしています!
※文頭の写真
乃木坂にあるニーノ・カフェ。アーモンド(mandorla)のケーキ。エスプレッソとこのケーキでだいぶゆっくりできた。会社で早速再現しようとしたが、原価が全く合わず。アーモンドプードルやナッツ類の風味のするシフォンにすることで自分を納得させた。退職してしまったから、その後どうなったっことやら。